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2010年12月11日

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柿沼教授による新刊です!

柿沼教授による渾身の訳書『20世紀を語る音楽』(アレックス・ロス著)が、11月25日に発売されました! 上下巻でおよそ700ページの大著ですが、とても読みやすい翻訳になっています。数多くのエピソードを交えながら、ジャンルや国にとらわれることなく、20世紀の音楽を縦横無尽に語るという刺激的な内容です。音楽好きの方にとって魅力的な本ではないかと思います。

また、楽譜をあえて一切使用しないという紙面構成になっていますので、とくに専門知識などなくても読み進めることができます。20世紀以降の音楽について知りたいと考えている一般の方にとっても、非常に取っつきやすい本になっているかと思います。ぜひともご覧になってください。

みすず書房様の紹介ページ
http://www.msz.co.jp/book/detail/07572.html
http://www.msz.co.jp/book/detail/07573.html

連動企画: 柿沼敏江のブログ
http://amunika.exblog.jp/




20世紀を語る音楽 (1)20世紀を語る音楽 (1)
(2010/11/25)
アレックス・ロス

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20世紀を語る音楽 (2)20世紀を語る音楽 (2)
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2010年度後期ゼミ_その2

12月はじめのゼミでは、宮田(D1)が研究発表を行いました。発表のタイトルは「映像作品における音の分類について --擬音を中心に--」というもので、映像作品となっていますがアニメの話が中心になっています。擬音という言葉には、すこし意味の幅があり、まだその辺りをはっきり決めているわけではないようです。

宮田は修士課程では「セルゲイ・ラフマニノフのピアノ作品における〈ディエス・イレ〉の借用」という、音楽学的なラフマニノフ研究を行っており、そこからすると大きくテーマを変えたように見えますが、本人の考えでは、内容的にある程度つながっているということです。

今回の発表は、既存の映画音楽研究の文脈における、代表的な音の分類法についてまとめること、そして、TVアニメの元祖として『鉄腕アトム』に、どのような音の特徴が見られるか、ということの簡単なイントロダクションが、主な内容となっていました。アニメには実写作品とは異なる特徴が、確かにあることはあるようだという面で、興味深い発表でした。

2010年度後期ゼミ_その1

2010年度後期のゼミでも、例年通り購読を行っています。今回は、次の本を読んでいます。

Tarasti, Eero. 1994. A theory of musical semiotics. Advances in Semiotics. Bloomington and Indianapolis: Indiana University Press.

この本はタイトルからも分かりますように、音楽における記号の理論を提示し、分析を試みるという内容になっています。Advances in Semioticsという記号論シリーズの中に入っているようです。ショパンやムソルグスキーなど、数多くの作曲家が考察の対象になっています。今回私たちは、その中の第10章「A theory of musical semiotics」を読んでいます。

この章では、前半でドビュッシー、後半ではミニマリズムが扱われています。そして、分析するにあたって、様々な記号論の概念、考え方が用いられています。とりわけ、パースの三分法グレマスの行為者モデルを、理論的基盤としているようです。彼らの専門用語(indexやactorといったもの)が頻繁に用いられています。

見たところ、ここでの分析の特徴は、(1)楽曲を「記号による構造物」と見なして即物的に解体していくことと、(2)その結果に対して、「Actor」であるとか、「ニュートラルである」「不安な」といった意味づけを行うこと、という2点に見られるように思えます。

(1)に関しては、いわゆる楽曲分析と似ているかもしれません。実際、これはモティーフ分析によって、ある程度代替できるようにも思えます。(2)は通常の楽曲分析では明らかに不可能な発想で、これを、ある程度普遍性をもった科学的なカテゴライズであると見なすか、単なる強弁であると見なすかは、人によって大きく立場の変わるところでしょう。

また、ミニマリズムについて語っている部分では、デリダの差延の概念を引き合いに出したり、シクロフスキー、トゥイニャーノフの理論的枠組を援用したりと、思想的・文学理論的な知を幅広く使って音楽に対する考察を進めていきます。こういうアプローチがあるのか、と勉強になる文章です。

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