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2010年度後期ゼミ_その4

本日のゼミでは、上羽義信(M2)による発表が行われました。発表のタイトルは、「ストラヴィンスキーとバランシンのコラボレーションにおけるリトミックの影響 --バレエ《ミューズを率いるアポロ》を題材に--」となっています。

リトミックとは、音楽に応じて様々な運動を行い、音やリズムを身体的に把握していくことで、音楽的能力の獲得を目指す音楽教育法です。スイスの作曲家、音楽教育者であるダルクローズが創始しました。彼のリトミックの方法は、振付師であるバランシンに大きな影響を与えます。本発表では、ダルクローズ・メソッドの教本における運動の見本と、バランシンによる《アポロ》の振り付けとを比較することで、その類似性がはっきりと示されました。

バランシンは、リトミックの動きを取り入れつつ、クラシック・バレエの身体様式を徐々に改変していきました。これが本発表の主張の一つです。そして、このような振り付けの革新は、振り付け曲であるストラヴィンスキーの音楽作品へとフィードバックされます。ストラヴィンスキーは自身の音楽の中に、非クラシック・バレエ的な、つまりバランシンの振り付けに適合するような楽想を取り込んでいきました。これが、本発表の第二の主張です。

リトミックの身体性→バランシンの振り付け→ストラヴィンスキーの音楽作品、というダイナミックな影響関係が示された発表でした。上羽は現在、修士論文執筆中で、今回の発表はその論文を下敷きにしたものです。

2010年度後期ゼミ_その3

本日のゼミでは、井上佑貴(M1)と岡田正樹(M2)による研究発表が行われました。

井上の発表は、「モード・ジャズの定義とハービー・ハンコックのモード手法による作品について」というもので、いわゆるモード・ジャズという手法で作られた作品を、理論的に(再)考察することを主眼としています。モード・ジャズとは、機能和声にあまり寄りかかることなく、広義の旋法(教会旋法だけでなく、8音音階、全音音階なども含む)を中心に作られたジャズ作品を指しますが、井上は、そのような作品群を、あえて和声(コード)面から分析することを目論んでいるとのことです。

岡田の発表は、「ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの多元性」というタイトルで、60~70年代にかけて活躍したアメリカのロック・バンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドおよび彼らの作品を考察するものです。岡田は彼らのコミュニティや作品の特徴を、「ヒップ」「キャンプ」「アイロニカル」「多元的」といったキーワードを用いて、横断的に整理しています。また、チェコスロヴァキアの民主化運動にあたって、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの音楽が帯びることとなった政治性について言及し、ロックと政治の(新たな)関係についても触れています。

現在、岡田は修士論文執筆中で、今回の発表はその論文を下敷きにしています。

2010年度後期ゼミ_その2

12月はじめのゼミでは、宮田(D1)が研究発表を行いました。発表のタイトルは「映像作品における音の分類について --擬音を中心に--」というもので、映像作品となっていますがアニメの話が中心になっています。擬音という言葉には、すこし意味の幅があり、まだその辺りをはっきり決めているわけではないようです。

宮田は修士課程では「セルゲイ・ラフマニノフのピアノ作品における〈ディエス・イレ〉の借用」という、音楽学的なラフマニノフ研究を行っており、そこからすると大きくテーマを変えたように見えますが、本人の考えでは、内容的にある程度つながっているということです。

今回の発表は、既存の映画音楽研究の文脈における、代表的な音の分類法についてまとめること、そして、TVアニメの元祖として『鉄腕アトム』に、どのような音の特徴が見られるか、ということの簡単なイントロダクションが、主な内容となっていました。アニメには実写作品とは異なる特徴が、確かにあることはあるようだという面で、興味深い発表でした。

2009 年度後期ゼミ_まとめ3

2010年1月21日に、上羽(M1、現在はM2)、岡田(M1、現在はM2)によるゼミ発表がありましたので、それについて簡単に紹介させていただきます。

上羽の発表は『「音楽‐振付分析 musical choreographic analysis」によるストラヴィンスキー作品の解釈の可能性』というタイトルで、ストラヴィンスキーのバレエ作品の分析を中心とした研究の計画が示されました。

上羽の研究計画の特徴は、タイトルにある通り、作品の分析にあたってバレエの振り付けを参照し、その傾向から作品の意味論的解釈へと向かうという方法にあります。

今回の研究では、特にジョージ・バランシン George Balanchine(1904-1983)の振り付けをベースとしつつ分析が進められるようです。バランシンはストラヴィンスキーと創作において強い協力関係にあった振付師です。そのため、バランシンによる振り付けは、ストラヴィンスキーの作品そのものと不可分にあると考えられます。

バランシンのバレエは抽象的で物語のないバレエですが、しかし伝統的な振り付けの「要素」を多く含んでいます。これらの要素と音楽とを関連づけて考察することで、ストラヴィンスキーのバレエ作品を解釈し、さらに他ジャンルの作品についても再考する、というのが上羽の研究の骨子になります。

続いて岡田の発表について紹介します。タイトルは『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(VU)の音楽に流れ込んだ要素』というものです。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド The Velvet Underground は1965年~1973年に活動したアメリカのロック・バンドですが、今回の研究では、中心人物の一人であるジョン・ケイル John Cale(1942- )が脱退する以前の作品の分析が行われます。

岡田はケイル脱退以前のヴェルヴェット・アンダーグラウンド(以下、VU)の音楽を「拡張的ロック」と呼んでいます。ジョン・ケージ、ラ・モンテ・ヤングなどの前衛音楽を中心に、様々なジャンルの要素を取り込んだロック、という意味です。例として、ウォーホル&VUによるエクスプローディング・プラスティック・イネヴィタブル(E.P.I.)という複合メディア企画と、ケージの《ミュージサーカス》との関連性、あるいはラ・モンテ・ヤングによるドローンやノイズの手法が、VUの音楽に取り込まれていることなどが挙げられています。

またVUは、R&B、フリー・ジャズ、ポピュラー音楽など、他の様々なジャンルからも、コード進行やリズム・パターンなどを素材として取り込んでいました。このような混合性・パッチワーク性を基盤としつつ、VUの音楽性がどのように構築されているのか、それが研究の焦点になっていくと思われます。

2009 年度後期ゼミ_まとめ2

2009年11月19日に、宮田(M2、現在はD1)によるゼミ発表がありました。テーマは「ラフマニノフのピアノ作品における『ディエス・イレ』と『鐘』の音型について」というものです。

〈ディエス・イレ〉とは中世に成立したキリスト教聖歌の一つです。この聖歌はラフマニノフの作品に直接取り入れられている(《ピアノ・ソナタ第1番》《パガニーニの主題による狂詩曲》)のみならず、彼の作品全体に影響を及ぼしていることで知られています。そこで、〈ディエス・イレ〉がラフマニノフのピアノ作品全体で、具体的に「どのように変化し(形態的分析)」、「どのように機能しているか(機能的分析)」を考察するといったプランが、この発表で示されました。

また、ラフマニノフの作品には「鐘」を思わせるフレーズが多く出てくることでも知られています。今回の研究発表では、様々な鐘の音型の中から、「4度・5度の鐘」をラフマニノフの常套句として仮定した上で、〈ディエス・イレ〉と同様に形態面・機能面から分析し、ラフマニノフの作品における〈ディエス・イレ〉と「鐘」との関係を考察する、というさらに大きいプランも述べられました。

ただし、「鐘」の音型を特定(仮定)することは、実際には非常に難しかったため、宮田の修士論文では「鐘」に関する項目は除外され、〈ディエス・イレ〉の話を中心とした内容になっています。修士論文では借用論を軸として、ラフマニノフによる〈ディエス・イレ〉の借用、あるいは彼の音楽そのものの考察が行われています。この論文は近日中に本サイトの方にアップロードできるよう努力したいと思います。

なお、宮田は京都市立芸術大学の博士課程に進学予定であり、博士課程での研究テーマは「ロシア音楽における鐘の表象について」となっています。修士論文で不十分におわった部分を、さらに突っ込んで研究する段取りです。

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